続け!私の気力

小説を書くか、日記を書くか、

ただそれだけの話

もじもじと悩み事を抱えてるのが


大嫌い


後回しにして決断を先伸ばしにするのが


大嫌い


全部選ぶなんて贅沢なこと

しようとするから選択できない


なにかを諦めなきゃ先には進めない

わたしはそうやって生きてきた


なぜかって、頭が悪いから


私は私を信用してないから

考えることをしない


それって人間的ではないと思うでしょ


考えないと人間の頭は

どんどんだめになるっていうしね


でも頑張れなくなってしまったから


仕方ないんだよ


分かって欲しいとは言わない


ただそれだけの話

内緒

他の村には3回という驚きの侵入記録があるのにも関わらず、
今まで洞窟には近づきもしなかった真。
きっと洞窟は真にとっては差ほど興味のあるものではないのだろうと
僕は勝手に思っていたので、真が洞窟に入ったという話を聞いてすごく驚いた。
本当はずっと、気にはなっていたのだろうか…


すぐさま真に所に駆け付けると真はもう皆に囲まれていて
質問攻めの真っ最中だった。
それもそのはず、今まで洞窟に入った子供なんていなかったものだから、
それはもう勇者も同然だった。


皆の輪の中心にいる真は竹トンボの調整に夢中のようで、
まともな回答をしているようには見えなかった。


みんな、いい加減にしろよー


そういって真の周りの包囲網をかき分けていったのは佐吉だった。
後ろには幸の姿もあった。


皆よく見ろよ、真は話を聞いてないぞ。


その佐吉の一声で、皆今までの質問を一時中断して、真をじっと見る。


真はしんと静まった空気の中、
竹トンボを空にかざしてなにやら考え事をしているようだった。


わかったら、皆俺にいい考えがあるんだ。こっちに集まってくれ!


そういって、佐吉はどこかに走っていったかと思うと、
今まで真を囲んでいた皆も、
佐吉を追いかけて次々にそちらの方へ走っていってしまった。


気付くとこの場所には、真と僕、そして幸だけが取り残された。


真?


幸がそっと真の名前を呼ぶ。


真ははっとしたように今まで手に付けていた作業をやめ、
幸を見つけると、「あ!幸!」と嬉しそうに笑顔になった。


その後、「あ!龍もいる!」と僕を見つけると、


あのね、二人とも聞いて!私洞窟に入ったんだよ!それでねそれでね…


そういって真が話だそうとすると、


真、お母さんに怒られなかった?


幸が真の話に割り込む形でそう言った。


僕はすかさず「今回は、お仕置き喰らわなかったの?」と続けて聞く。
いつも真がいけないことをした時は、明らかなコブを作って帰ってくるので
今回それがないのはとても不思議だった。


真は、うーんと少し考えると「ないしょ!」と一言。
でもね、と真が続ける。


痛いことはされてないよ。晩御飯も抜きにはならなかったし!


僕と幸は顔を見合わせてなんとも言えない顔をする。
「二人とも変な顔しないでよー」と真が笑う。


そのないしょが気になるの


幸がまだまだ心配そうな顔でそう言うと、
真は「その内ね」と言ってその後も教えてはくれなかった。

村は狭い。少し離れるとすぐに隣の村に入ってしまう。
それというのは、うちの村は四方八方他の村に囲まれているためだ。
誤って他の村に入ってしまったことが親に知れると、思いっきり頭を引っ叩かれ、
その日の晩御飯は抜きと言う相当な罰を受けることとなる。
真は3回ほどこの禁句を犯し、3回目に至っては見たことのない大きなコブを
作ってくると言う始末である。それでもけろっとした様子の真を見て、
誰もが絶対にまたやると思ったことだろう。案の定今も危ういことをしている状態だ。


それも仕方ない。真に限ったことではなく、村の子供たちは皆
その有り余るエネルギーをこの狭い村の中では発散できずにいる。
そのため真のようなことをする子供は少なくはない。(対外1回限りだが…)


そうして僕らはこの洞窟探索をすることになった。
計画したのは幸だった。幸は昔からあの洞窟がとっても気になっているようで、
よく洞窟の前にいて、行き来する人たちを観察していた。
僕はそれに何度か付き合わされたことがある。


洞窟の周りはたくさんの木々に囲まれていて、昼間でもなかなか不気味な場所だ。
そんな所で一人で洞窟を観察する幸の度胸は、さすがと言わんばかりだった。


中には何があるんだろうね


おいしいものでも隠しているんじゃない?


そんな会話をしながら静かに洞窟の側で身をひそめていた。


洞窟には以外にも敏感に人の出入りがあった。
入っていく人は皆、僕らがあまり見かけることがない人だった。
こんな小さな村でなかなか見かけない人というのは珍しかったので、
その晩、母さんに恐る恐る聞いてみたところ、マツヨ様の所の人だと教えてもらった。
中で何をやっているとか、なにがあるとか、どうして子供が入ってはいけないかは
今まで教えてはくれなかったので、僕は貴重な情報を手に入れてすぐにでも
誰かに話したくなったことを今でも覚えている。


洞窟の観察はなかなか刺激的で僕もそこそこ楽しんではいたが、
やはりあの真っ暗な穴の中に入ってみたいとは思わなかった。


そのうち、飽きてしまって僕はそれから幸の誘いに乗ることもなくなった。


そしてある日のことだった。
真が洞窟に入ったというとんでもないニュースが耳に入って来たのだ…